森と動物園 / Steve Lacy |
1960年代の半ば以降はヨーロッパを活動の場にしているスティーヴ・レイシー、今回の作品は、イタリアの新鋭エンリコ・ラヴァ 、南アフリカの2人、ジョニー・ダイアニ、ルイス・モホロと組んで、アルゼンチンのブエノスアイレスでのライヴ録音したレイシーの代表的な作品。このカルテットは息もつかせぬスリリングな演奏、メンバーとの自由な協調の中で、主体的な即興が流れるフリー・ジャズでありながら、聴く者を強烈に引きつける。又レイシーの独自性の一端が垣間見える。2曲ともレイシーのオリジナルです。 1曲目〈森〉 前半(7分位まで)、レイシーの滑らかに流れるソプラノ・サックス、エンリコの伸びやかなトランペットの響き、続いてレイシーのソプラノ・サックスが一音一音切れ味よく響く、エンリコも熱く切れ味鋭いプレイ。 中盤、エンリコはフリーなリズムに乗って、エネルギッシュなプレイ。レイシーのソプラノ・サックスは流動的に冴えわたり、続くレイシー特有の高く細い音色(笛のような音)を響かせ、森の梢をイメージして、枝に止まった小鳥がさえずっているのを表現をしている。 後半(14分位から)、ベースのダイアニが重厚なベース・プレイ。エンリコが圧倒的な速さと鋭いトランペットの一端を聴かせる。レイシーのソプラノ・サックス、豊かな色彩感で自由に泳ぎ回る。小動物が互いに愛の呼び声を交わし合っているような音に感じる。曲の終りにはレイシーが高速でスリリングなアドリブを繰り広げる。 youtube.com/watch?v=7WsQne2R5Sk 2曲目〈動物園〉 前半(9分前まで)、レイシーはのっけから自由奔放に吹きまくる。エンリコのトランペットは高速も交ぜながら、いきいきとした躍動感溢れるプレイ。大きな動物が登場したイメージで、レイシー独特のケモノの唸り声を発する。エンリコのハイトーンのアグレッシブなプレイ、パワフルな演奏と続く。 中盤、ベースのダイアニは心地良くスウィングして、濃厚なプレイを存分に発揮。ドラムのモホロもリズミックに豪快なプレイを繰り広げる。 後半(11分半位から)、レイシーのソプラノ・サックスは太い音色で、縦横無尽にプレイ、又ケモノが出てきて、唸り声を出す。エンリコのダイナミックでメリハリの利いたプレイと続き、最後レイシーの澄み切ったソプラノ・サックスの音色が会場一杯に響き渡る熱い演奏で締める。 森と動物園の商品詳細ページ |
![]() Recorded. October 8, 1966. ESP. Steve Lacy soprano sax Enrico Rava trumpet Johnny Dyani bass Louis T. Moholo drums 1. Forest 20:56 2. Zoo 20:57 |